自然農 大根の母本選 まるごと開示レポ!
11月28日、大根の母本選抜、茨城県取手市の佃農園にて
昨年選んだ10系統の中から1番良い系統を決めた母本からの
2年目の母本選抜を行いました。10年以上続く自然農の畑です。
まずは、大根ランチをいただきながら、
昨年の母本大根見ながらランチミーティング。
今回は有識者のX氏を京都からお招きして、より精度の高い選抜をめざしてご指導いただきました。
育種の目標は、無施肥でも(できる限り肥料分が少なくても)、草勢強く根張りよく、
有機栽培(自然栽培含めて)に向く品種を目指します!
まずは良さそうな系統の列をいくつか選び、全部ひっこ抜いてしまいます。
列の株をすべて抜くことで、全体的な傾向や個別に特異な形質がでたりしないか等、
全体的なクオリティをつかむことができます。
誤りなく選抜するため、固定種育種には欠かせないプロセスです。
最終的にどの系統にするか1系統のみ選抜し、他系統はここでお別れです。
次に、1系統の中から、母本候補を選び出します。
今回は、草勢がほどよく強い、30cm以上だがデカすぎない、よこしまが入っていない・・・
などの様々な要件を見たす株を選びます。
次に選んだ大根の下部をカットします。
再度植えつけたときに根がよく出るよう、ひげ根がある部分を残し、
ダイコンの1/4程度を斜めにカットし、さらに先の部分を半分にカット。
ここで、スが入っていないか・病気がないか等確認し、健全株を残します。
母本選抜の適期の目安は播種から85日目程度でしょうか。
大根の成熟の目安は種まきから約80日。この日を少し超えたあたりで
スが入ってしまう株を残してしまうと、老化しやすい性質を次世代に
残すことになってしまうので、スが少しでも入ってそうなものも含め
ここは厳しく処分します。ここでの厳しさが良い種とりには欠かせません。
以下写真、果肉にスがはいってるのわかります? こんな株はすべて処分します。
以下は選ばれた合格品!
合格品が少なかったので、第2候補から選んでいくことになりました。
この後、1週間ほど、株の切り口を乾燥させて、
母本株・周りに受粉株を植え、ネット内で栽培し、ミツバチを放ちます。
来年には、またこれらの種を各母本毎に種とりします。
系統選抜を繰り返します。
これを何年も続けていくうち、どれも似たような株ばかりだな!となった時が
固定種育種の完成です。あと3年くらいでできればいいのだが?!
最後に有識者x氏からの1言
「育種用の圃場としては大変小さいので、本当は数倍の規模はあった方が良い」
とのこと。 有機圃場の確保が今後重要になりそうです。 あと資金 (泣)!?
#savetheseed #greenfieldproject