有機のタネの専門店〜有機の固定種・在来種・自然栽培の種 F1有機種子など多数〜

logo

call046-204-7907
schedule営業時間 平日 9:00~17:00 受付

今年もそろそろ終わりですね。

皆さんにとって、2015年はどんな年だったでしょうか。

さて、あまり知られていませんが(私も知りませんでした!)、
2015年は国連が定めた「世界土壌年」でした!

土壌、つまり、私たちの食べ物の源である「土」の年。

なんでわざわざ国連が「土の年」を決めたかと言うと、
今、土が大変な目にあっているからなのです!

私たちの食べ物の95~99%、もう、ほとんどは土が育ててくれています。
ニンジンもジャガイモもレタスも・・・、ふむふむ、そうですよね。

そんな土ですが、今から70年ほど前、
化学的な農薬や殺虫剤、雑草駆除剤が導入されてから、
一時は農作物の生産性が上がり、生産者の雑草駆除などの手間も省けましたが、
その一方で土はどんどん疲弊し、栄養たっぷりで虫や微生物がちゃんと活動して
自然に循環してくれるような健康的な土ではなくなり、
微生物のいない硬い土になったあげく、耕作地としては不適合とされるような、
耕作放棄地が増えてしまいました。

突然ですが、土が1センチできる(積もる?)まで、何年かかるでしょうか?

正解は1000年。

そんな土を私たちはものすごい速さで破壊し、
毎年世界で一千万ヘクタールの農地が土壌侵食や悪質な土壌管理の結果、
耕作放棄地となっているのです。
一千万ヘクタール・・・想像がつかない数字ですね。

土の疲弊は、私たちの食べ物だけでなく、
土の中のミミズなどをエサにする鳥にも影響を及ぼし、
この70年間でヒバリやスズメなどの鳥の数が90%以上減少しているとのこと。

「土」に関して特に懸念されていることの中に、
世界で広く使われている雑草駆除剤の主要成分である
「グリホサート」があります。

「グリホサート」は、2015年初旬にWHOで
「おそらくヒトに対して発がん性がある」とされ、
その使用が懸念されているにもかかわらず、
いまだに世界の多くの農地で使用されています。

グリホサートに関しては、ヒトの健康にかかわる研究が始まったばかりで、
土壌の生物に対する影響についてはまだ明確な結果は出ていませんが、
地球温暖化やミツバチに対して悪影響があることが次第に分かってきています。

化学的な農薬や雑草駆除剤に頼らず「オーガニック」、
つまり、かつて私たちの先祖が続けてきた自然な方法で栽培することは、
私たちの健康を守るだけでなく、環境を持続可能にしていくために
もはや必要不可欠な要素なのかもしれません。

かといって、過去のやり方をそのまま行っていては、
これだけの世界人口を養っていくほどの生産量を確保するのは難しそうですし、
また、かつてのようなしんどい雑草抜きが待っている、
ということになってしまいかねない。うむむ。

21世紀、化学の素晴らしさと限界を知った我々だからこそ、
先人の知恵と化学の知識を駆使して、
長期的に人と環境のバランスを維持していけるような
システムを作っていかなくてはならないと思います。
そして、これまでのように合理性の追求だけでなく、
人間としての基本的な道徳性にもフォーカスした決定が必要ですね。

とまあ、長々と書きましたが、
こちらのアニメ、
1分で私たちの生活と環境がつながってるんだよ!
ということを楽しく表してくれてます。
ぜひ見てみてくださいね~!

とこんな感じで2015年、振り返ってみました。

ちょっと早いですが、皆様、良いお年を!

参照:ハッフィントンポストUK