日本の伝統野菜を繋ぎたい!打木源助大根の母本選抜にチャレンジ!
株式会社グリーンフィールドプロジェクト
白井 賢太朗 Kentaro Shirai
東京都出身。2020年岩手大学農学部卒業。学生時代にスイスの有機農家さんの元で農業研修を受けた事をきっかけに農業の魅力に惹かれる。大学卒業後は、養鶏場・野菜農家さんの元で働き、2022年10月にグリーンフィールドプロジェクトに入社。自社の畑・田んぼを運営。日々奮闘中です!
こんにちは!
グリーンフィールドプロジェクトの畑と田んぼの栽培を担当している、白井賢太朗です。
古くから日本各地で栽培されてきた「伝統野菜」。最近では系統がばらけ始めていて、名前だけになっているのも実はちらほらあります。
昔の形質に近いものを残していきたい想いから、弊社では、2017年6月21日よりSAVE THE SEED (セーブ・ザ・シード)プロジェクトの活動をしています。
今回は、加賀野菜の一つでもある「打木源助大根」の母本選抜にはじめてチャレンジしました。その様子をお伝えします!
源助大根の生育の様子
9月中旬に種まき、10日後の様子です。
大根の発芽適温は20℃~25℃と言われており、連日30℃を超える暑さで心配でしたが無事に発芽しました!
10月中旬には本葉5~6枚になってきました。
種まきから75日ほどの11月下旬には収穫時期に!
源助大根の母本選抜
12月上旬に育種家のプロ2名の方をお招きして、自社の畑で勉強会をおこないました。
京都で長年取り組まれているベテランの育種家の方と、自然農法で国産品種の種とりをおこない、その種を販売されている自然農法センターさん。弊社でも種を販売させてもらっています。
通常、種をとるためには1000本~2000本の大根を栽培するそうです。
本数が多いと厳しい基準で選抜をおこなえることはもちろん、ある程度の多様性を確保することができます。
いい種をとるためには、いい大根を残していかなければなりません。
今回栽培した源助大根は500本弱ほどと少ないですが、
下記の条件をなどを除いて選抜をおこなっていきます。
・極端に長い・短い
・極端に太い・細い
・ス入り
・空洞症
・葉の茎の部分が紫のもの(ストレスで色が変わってしまったもの)
まずは見た目の選抜。品種固有の特徴である「短根で銅が太くずんぐり」とした標準的な形の大根を残しました。
ここから切って中の状態を見ていきます。
スが入っていたり空洞症のものは外していきます。
最終的に選ばれたいい大根は2本のみ。
きれいな大根になるにはまだまだ時間がかかりそうです。
育種家のプロに直接ご指導いただけて学び多き日になりました。
育種勉強会をふまえ、後日、自社スタッフで残りの分の母本選抜と移植をおこないました。
見た目がいいと思っても、実際に切ってみるとスが入っていたり空洞症など多くあります。この中でもましなものを選別しました。
選別のあとは移植。太陽の動きに合わせ北向きにして南から光が当たるようにしました。
ここから種になっていきます。来年6月頃に種とり予定です!
弊社では日本の固定種を残す事を目的として、2017年6月21日よりSAVE THE SEED (セーブ・ザ・シード)プロジェクトの活動をしています。日本の伝統野菜をつなぎたいという想いで、これからも少しずつ種を残していきたいと思います。