ミルクティーのようなロマンチックな色の綿
「茶綿(ちゃめん)」のタネが入荷しました。
ミルクティーのような優しいブラウン。
綿と聞くと、白い色を想像しますが、綿の原種はこのように色がついていました。
紫外線から身を守るために色がついていたと言われています。
一般的に普及している白い色の綿は、人間が長い時間をかけて品種改良を重ねた綿です。綿の原種は、こちらのようなブラウンや、薄緑色がついた有色綿でした。有色綿などの在来種は病害虫や乾燥に強く、栽培に多くの肥料を必要としません。無農薬・無化学肥料での有機栽培にも挑戦できます。
もっとも身近な「綿」について私たちはほとんど知らない。
「綿」と言えば、タオルや靴下、ハンカチ、ズボンにブラウス、Tシャツに…と、私たちの生活には欠かせない素材。繊維製品の60%が綿製品と言われています。
こんなにも身近な綿ですが、こんなにも問題が多い農産物も他にない、というのが現状です。
例えば、農薬や殺虫剤。
綿花の農場は世界中の農地の2.5%に過ぎませんが、綿栽培における殺虫剤使用量は世界全体の使用量の16%とも言われています。これほど殺虫剤を使う農産物はほかにありません。
画像元:Hindustan Times
また、世界の綿花農家の99%(!)は農村地帯にすむ小規模農家で、防護服も手に入らず、識字率も低いため、安全についての注意書きを読むこともできないと言われています。このため、綿花の殺虫剤使用が原因の死者数は毎年少なくとも2万人、入院者数は100万人にのぼります。※
労働賃金が安いため、児童労働の割合も多い農業分野です。
白色綿は、製品化の過程でつや出し加工や漂泊、染色などの工程が加わり、工程ごとに化学薬品が使用されるので環境にも負荷がかかります。
このような綿の生産方法が問題視されるようになり、近年、農薬や殺虫剤を使用せずに生産されたオーガニックコットンが少しずつ広がっています。
※国連大学ウェブマガジンより一部引用:https://ourworld.unu.edu/jp/monsantos-cotton-strategy-wears-thin
私たちが未来へつないでいけるものとは?
江戸時代ごろから盛んになった日本の綿花栽培。ところが明治維新以降、中国やアメリカなどから安価な綿が輸入されるようになり、国内の綿栽培は衰退していきました。
そんな中、綿の種の保存を行ってきたのが信州大学繊維学部です。約30種類の綿の種を守ってきました。そして、種を保存するだけでなく、活用しよう!と動いたのが株式会社アバンティ代表・渡邊智惠子さん。環境にも人にも優しいオーガニックコットンを日本に広めたいと会社を設立し、30年以上にわたってオーガニックコットン製品を世の中に提供してきました。
アバンティは、信州大の協力を得て、オーガニックコットン製品の日本での生産に挑戦しています。
日本に引き継がれてきた技術を生かしたいという思い、そして顔の見える安心安全なものづくりのため、糸から生地、最終製品までを日本でつくることにこだわっています。
次の世代へ伝えたいこと、それは伝統技術であり、知恵であり、美しい地球環境です。
グリーンフィールドプロジェクトができること
種は保存するだけじゃ「もったいない」!
そんな、渡邊さんの強い思いに、種屋の私たちも「その通り!」と共感。
種は育てるもので、育った綿は使う物なのです。私たちの祖先がずっとそうしてきたように、生活の一部であってほしい。
と言っても、農地の狭い日本で、綿生産農家を増やし、国産のオーガニックコットン製品を流通にのせ販売する、というのはまだまだ厳しいところ。価格の面でも競争力が必要です。
それでも普及させたい。
日本の綿自給率ゼロが1%になる日を願って。
そして、種から綿を育て、消費者の皆さんに綿を身近に感じていただくことで、
オーガニックコットンを広めていきたいという強い思いから、
今回の種の販売が実現しました!
販売1袋につき10円が、日本オーガニックコットン協会へ寄付されます。
また、この寄付額と同額を種子販売元であるグリーンフィールドプロジェクトから追加寄付する予定です。
お庭やベランダでちょこんと、ふわふわかわいい綿花を栽培してみませんか?
有機栽培された茶綿の種は希少です。
無くなり次第終了となります。
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