歴史あるわさびの在来種を繋ぎたい!開墾から植え付けまで
歴史あるわさびの在来種を繋ぎたい!開墾から植え付けまで
こんにちは!
グリーンフィールドプロジェクトの畑の栽培を担当している、落合志信です。
古くから日本各地で栽培されてきた「伝統野菜」。昔の形質に近いものを残していきたい想いから、弊社では、2017年6月21日よりSAVE THE SEED (セーブ・ザ・シード)プロジェクトの活動をしています。
弊社の所在地は神奈川県厚木市になります。そのため、近くの伝統野菜を育てたいと思い探していたところ、隣町の神奈川県愛甲郡愛川町にある希少な「半原わさび」を栽培している農家さんに出会い、苗を譲ってもらうことになりました。
今回はわさび栽培の場所探し、開墾から植え付けまでの様子をご紹介します!
半原わさびとは
今から約130年前、神奈川県愛甲郡愛川町半原に住んでいた染矢九一氏が丹沢の山中から野生種のワサビを持ち帰り、半原の沢で栽培を始めたのがはじまり。根茎が細長く薄緑で軟腐病の耐病性があります。
また明治39年頃、静岡県伊豆地方のわさびが軟腐病で壊滅的な被害を受けたため、「半原」の苗を譲り、半原わさびが片親となって復活したと言われています。
わさびの栽培方法
わさびの栽培方法は、明治25年より伊豆地方で用いられている「畳石式栽培」を採用しています。
※畳石式栽培とは・・・下層の大きな岩の上に小石・砂を敷き、わさび田の表面と内部に水を通し、水温の安定と栄養分や酸素の供給を実現して、質の高いわさびを栽培します。
わさびの育てやすい環境
半原わさびは「沢わさび(水わさび)」という種類で、常にきれいな水のある環境で栽培します。また生育には年間8℃~18℃、水温は常に15℃前後を保てるようにしなければなりません。
わさびの育てやすい環境がないか近所の地主さんへ相談したところ、木や竹に囲まれた涼しい環境で、少し標高のある土地を紹介してもらうことができました。
わさびの開墾
借りた土地は元々田んぼで使用された場所だったため、全体的に水分質があります。まずはどこに水が溜まっているか、ひざくらいの深さまでいくつか掘って探します。
そして何ヵ所か水分のあるところを発見!わさび栽培エリアまで常に水が流れるよう、水のため池・通り道を作り、わさびを育てる場所を開墾しました。
2024年10月上旬には、わさびを育てるところへ石・砂を敷きました。
同じころには水が流れるように!特にわさびの植え付けまでは水の流れが悪くならないようチェックしていきます。
わさびの植え付け
そして2024年11月上旬。わさびの苗を譲ってくれた農家さん立ち合いのもと、レクチャーしていただきながらわさびの植え付けをおこないました。
植え付け後は、倒れてしまっている苗が自然に立つ(活着する)のを待ちます。
わさびは常にきれいな水のある環境でなければ育てることが難しいです。ここのところ雨が降らず水が溜まりにくいので、湧き水からわさび栽培エリアまで水が通るよう頻繁にチェックしています。
途中で沢ガニやまき貝を発見!わさびは無肥料・無農薬、水のみで栽培していて環境に寄り添っているため、生き物たちも自然に寄ってくるんだと思いました。
植え付けから1ヵ月後の12月上旬。わさびの苗が自然に立ち丈夫に!収穫までは早いものでも1年以上かかると思いますが、貴重な半原わさびが途絶えないよう見守っていきます。
そのほかにも、涼しい環境に合いそうな野菜(クレソンなど)も栽培してみたいと思います。
株式会社グリーンフィールドプロジェクト
落合 志信 Shinobu Ochiai
2024年7月入社。株式会社グリーンフィールドプロジェクトのある、神奈川県厚木市生まれ。水生生物を観察することが大好き。わさび栽培をはじめ自社の畑・田んぼを運営していて日々奮闘中!