昨年、とあることから借りることになった1.5反の田んぼ。
辿り着いた精米は150kg。慣行農法の平均は約900kgと聞くから、寂しいかな1/6でした。
それでも、田んぼの経験は畑と違った感動あり難しさありで、たくさんの学びがありました。
今年もやることに決めたので、反省も含め備忘録として2021年度産のお米づくりをブログに残すことにしました!
昨年1月、折角やるなら昔ながらの田植えを体験したいと思い立ち、自然農で1町歩以上を10年以上実践している埼玉県加須市の戸田農園(弊社の茶綿の種を採種いただいている農家さん)を訪ねました。
戸田さんに米作りについて色々うかがううち、いきなり種籾からは難しそうだったので、戸田農園で毎年生産している自然農のコシヒカリ苗を余計に作ってもらって購入させていただくことにしました。
品種はコシヒカリ。ちなみに、戸田農園のお米で作ったオニギリは衝撃のおいしさでした!
育苗のための培地は、この稲わらを2年寝かして堆肥化したもの。他に何も混ぜない培地です。
【4月中旬播種】35日超の育苗後、埼玉県加須市→神奈川県厚木市棚沢へ苗のお引越し。
できるだけ成苗(本葉5~6枚)にして、深植栽培できる苗を目指していただきました。
【5月7日】田植え予定の田んぼの入水 とりあえず泥遊びを満喫!
【5月26日】植代(うえしろ)
農機も何もないので、JA厚木に相談して代掻きを委託でやってもらいました。本来は荒代と植代の2回やりたかったのですがお金も時間もかけられず、田植え直前に1回のみ。
【5月29日】自社だけでは田植えが間に合わないので、地元の「やまゆり生協」さんの協力と、弊社のお客様と、総勢50名超で手植えしました。 子供たちもいっぱい集まり楽しいイベントでした!
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
【6月5日】 田植えから1週間、まだ雑草が顔だす前から除草をスタート。
手植えは苗がまっすぐそろってないので、除草機が通らず、使えず (・_・;)
ひたすら1条の除草機&手で除草。毎日のように田んぼに入り、除草に追われること40日。
中干し5日前、苗も大きくなり根も傷みやすいので除草終了。苗が草に勝った状態を保てました。
深水管理とか諸々知識は入れてたのですが、全くうまくいきませんでした (・_・;)
【7月17日】中干し 水を抜いて土内に酸素を入れガスを出し、根をはらせて生育を促します。
表土はカラカラ。乾くと草が抜けず除草もできないので、念願のほったらかし!
【7月31日】 2週間後、水を戻し入れます。
【8月9日】 ついに出穂を確認。 お米粒に感動するも、雑草も同時に増えてます。
この時期になると株も大きくなってるので、中に入って自分の足で根を痛めてしまわないよう、やんわり除草です。
【9月11日】
穂も色づき、それなりに頭も垂れてきました!
【10月2日】 ついに収穫期を迎え、地元の「やまゆり生協」さんと弊社のお客様とで収穫祭!
手刈り! 皆さんお疲れさまでした&ありがとうございました!
はざ掛け米にしたいと、はざかけ用の竹を買ったのですが、思ったより高額だったのでも短い竹に。
小さすぎか (・_・;)
仕方なく穂を上下ひっくり返さず、穂を上にして干してみました。
脱穀からはざ掛けまでの作業は1日で終わらず翌日に数名の協力を得てなんとか終了 (・_・;)
【10月23日】いよいよ脱穀デー
スケジュールの都合上ちょっと遅れてしまい、干し過ぎ感ありましたが、足踏み機2台で朝から脱穀。
ここで思わぬ問題が発覚。 脱穀がうまくいかなかったようで、「精米機に入れられない。」と精米をしていただく予定の方に言われてしまいました。
色々調べていくうち原因が分かってきました。原因は2つ。
①はざ掛ける際、穂を上向きにしたことと、②干した期間が長過ぎてやや乾きすぎ
この結果、穂の頭が垂れる頂点の茎部が乾燥しきって弱くなり、脱穀機を回すと通常は穂だけが脱穀されるべきところ、頂点の茎部ごと脱穀されてしまったようです。
これだと精米機が壊れる可能性があるので、精米機に入れられない。
こうなったら全量手で振るいでゴシゴシ、穂と茎を離していくしかありません。
ゴシゴシしながら、穂つきの茎は、まるごと処分していきました (・_・;)
それでも、精米機に通す状態までは回復できず、「全部処分するしかないんでしょうかね?!」と苗を作っていただいた戸田さんに相談したところ、「なんとかしましょう!」とのこと。
最後は何とか精米にしてくれました。特殊の精米機があるらしく、なんとかその機械を使って合間合間に精米にしてくれました。 感謝しかありません、としか言いようがありません。
【感想・総括】
①1.5反を自然農で機械なしで米作りは大変でした。昔の農家は家族・親族総出で農業やってたわけだから、当たり前なのかもしれません。近代の機械化はすばらしい技術です。
②今回の栽培は完全無投入での栽培でしたが、お米はそれなりにとれたし、味もおいしかった。先代が良い品種を作ってくれて、そしてずっと田んぼを続けてくれてきたことに改めて感謝しないといけないと感じました。そして、今回の米作りに携わってくれた皆様にも心より感謝です。
【最後に】
そんな精米のため、かなり負荷をかけた精米工程となり、できあがった米は「訳あり米」となってしまいましたが、味は良好です! 今年は良い米とれるように頑張ります!
訳あり品! よかったら訳ありのコシヒカリ食べてみてください。